Waters フラクションマネージャー - 分析
高効率の UPLC 分離からフラクションを正確に回収できる独自の設計
超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)および超高速高分離液体クロマトグラフィー(UHPLC)での分離によって得られる効率の向上が、従来の低速で大容量の HPLC グレードのフラクションコレクターで台無しになることがよくあります。
UPLC システム用の分析スケールのフラクションコレクターである Waters フラクションマネージャー(WFM-A)を使用することで、フラクションの損失とキャリーオーバーを小さく抑えて小さいピークを適切に管理し、少量の試料を効率的に回収して追加のアッセイに用いることができます。ウォーターズは、高い純度と回収率を達成し、サンプルの損失を確実に抑え、複雑な混合物や貴重なサンプルのキャリーオーバーを低減できるように WFM-A を設計しました。
仕様
動作時 UPLC 流量範囲 |
標準ニードルで 0.1 ~ 2.2 mL/分 |
動作時 HPLC 流量範囲 |
高流量ニードルで 0.1 ~ 5.0 mL/分 |
pH 動作範囲 |
pH 2 ~ 12 |
内部遅延容量 |
13.6 µL* |
最大背圧 |
<300 psi |
ニードル移動時間 |
ニードルが容器の上を移動する場合、容器間で 0.7 秒 ニードルが容器の底に挿入される場合、容器間で 1.1 秒 |
キャリーオーバー |
すすぎが有効な状態で < 0.15% |
フラクションコンパートメントの温度 |
範囲 4.0 ~ -40.0 ℃、0.1 ℃ 刻みで設定可能。周囲温度より 19.0 ℃ 低く維持、許容誤差 -2.0 ℃ ~ 4.0 ℃ |
主な接液部の材質 |
MP35N、PEEK、Teflon、DLC、Tefzel |
リーク管理機構を搭載 |
標準装備としてのリークセンサー、および安全なリークの取り扱い |
フラクションシミュレーション |
クロマトグラムデータを使用して、回収パラメーターをモデル化および最適化 |
ニードルのすすぎ |
ユーザー指定の間隔で注入前またはピークの終了時にニードルをすすぐ |
ニードルのフラッシュ |
時間ウィンドウの最後、回収状態の変更後、またはピークの終了時に、最後の容器にニードルの容量をフラッシュする |
プレートの種類(プレート 2 枚) |
容量 |
合計容量 |
96 ウェルプレート(浅型/深型ウェル) |
96 ウェル |
192 ウェル |
2 mL バイアルプレート |
48 バイアル |
96 バイアル |
4 mL バイアルプレート |
24 バイアル |
48 バイアル |
10 mL バイアルプレート |
15 バイアル |
30 バイアル |
Eppendorf チューブプレート(0.65 mL) |
48 バイアル |
96 バイアル |
Eppendorf チューブプレート(1.5 mL) |
24 バイアル |
48 バイアル |
騒音 |
<60 db |
|
動作時の温度 |
範囲 4 ~ 40℃ |
|
保管温度 |
-40 ℃ ~ -60 ℃ |
|
湿度 |
20% ~ 80%(結露なし) |
外部制御 |
FractionLynx™ アプリケーションマネージャーを備えた Empower™ または MassLynx™ ソフトウェア |
外部通信 |
ホスト PC への RJ45 接続による Ethernet インターフェース |
イベント入力/出力 |
注入開始、補助出力 |
電圧 |
90 ~ 264 VAC |
周波数 |
47~63 Hz |
幅 |
34 cm(13.5 インチ) |
高さ |
27 cm(10.75 インチ) |
奥行き |
71 cm (28 インチ) |
重量 |
20 kg(45 ポンド) |
概要
- UPLC 分離で得られるシャープで近接したピークを分取するように特別に設計されています。
- WFM-A は、革新的で信頼性の高いテクノロジーの業界基準である ACQUITY UPLC プラットホームを基に開発されており、すべてのウォーターズの分析用 UPLC/UHPLC および HPLC システムにおいてシームレスにご使用いただけます。
- MaxPeak High Performance Surfaces(HPS)テクノロジーを採用した回収ニードルと不活性流路を装備した ACQUITY Premier システムと組み合わせることで、バイオ医薬品アプリケーションでのフラクションを冷却でき、生体高分子が分析できます。
推奨用途:医薬品、バイオ医薬品、不純物分離、代謝物、天然物のアプリケーションでのフラクションの正確な回収に最適。
機能ヘッダー
高効率で高純度の回収の目的に合わせた設計
WFM-A は標準的なフラクションコレクターのピーク純度の課題を克服しており、以下の特性を有します。
- 低ピーク拡散:低容量かつ切り替えの速いバルブを採用することで、ピーク拡散が減少し、シャープな UPLC ピークを精密に分取します。
- サンプル回収:微量なフラクションの回収率をさらに向上させるために、カラムからの溶出液の流れを最適化し、貴重なサンプルの液滴がニードル先端で固まらない高度なニードル設計を採用しています。
- 温度管理:サンプルコンパートメントは、熱的に不安定なサンプルに対応するために 4 ~ 40 ℃ の範囲で精密に管理されます。
- 生体適合性:WFM-A の不活性流路により、あらゆる生体分子に対応可能で、UPLC および HPLC システムへ簡単に接続できます。
- システムの汎用性:ニードルは、UPLC で流速 2 mL/分、HPLC で流速 5 mL/分までのフラクションを正確に分注できるように設計されています。
キャリーオーバーを減らし、回収率を高め、高純度を実現する新たな設計
アプリケーションの本質は少量のサンプルを扱うことから、フラクションの純度は、分析用フラクションの回収を行う際の大きな懸念事項です。従来のフラクションコレクター設計では、バルブが閉じるときに分注チューブ内のフラクションの一部がトラップされます。トラップされた部分は、通常「クロストーク」と呼ばれる分注を行うことで、次のフラクションに回収されます。
WFM-A の革新的な流路系設計により、キャリーオーバーのリスクを低く抑えます。フラクションを回収した後、分注ニードルを通して少量のすすぎ溶媒を分注するようにシリンジをプログラムすることができます。このすすぎ液は、廃液に向けることも現在のフラクション容器に向けることもでき、クロストークを低減することで、フラクションの純度を高めることができます。
バンドの広がりを抑えてピークの完全性を改善
WFM-A フラクションバルブの容量はごくわずかであり、検出器とバルブの間のチューブの容量が最適化されているため、フラクションのバンド拡散が低く抑えられます。この図では、WFM-A フラクションバルブのピーク形状が一直線のバイパスに重ね合わせられるのに対し、他のバルブははるかに大きな拡散を示しています。
WFM-A は、必要なときに必要なものを効果的に回収します。