• アプリケーションノート

自動ハイスループット LC-MS に注目した、マイクロバイオリアクターサンプル中のモノクローナル抗体のペプチドマッピング

自動ハイスループット LC-MS に注目した、マイクロバイオリアクターサンプル中のモノクローナル抗体のペプチドマッピング

  • Hua Yang
  • Stephan M. Koza
  • Ying Qing Yu
  • Waters Corporation

要約

細胞株の選択とバイオプロセスの最適化を促進するために、低容量および低濃度のマイクロバイオリアクターサンプル用に、自動ハイスループット(HT)サンプル前処理メソッドおよび重要品質特性(CQA)ペプチド測定用の高速 LC-MS ペプチドマッピングが開発されました。このメソッドでは、Andrew+™ の自動化機能を使用して、中和したプロテイン A アフィニティークロマトグラフィー溶出バッファーに含まれる 1 mg/mL のモノクローナル抗体(mAb)サンプル 30 µL をバッファー交換し、トリプシン消化しました。得られたペプチドを、ACQUITY™ Premier Peptide CSH™ C18 カラムで分離し、BioAccord™ LC-MS システムで検出しました。N-グリコシル化ペプチド、脱アミド化ペプチド、酸化ペプチドなど選択した CQA ペプチドについて、有効な分析が実証されました。48 のサンプルの自動前処理には 3.5 時間かかり、消化時間は 2 時間、LC-MS 分析時間は 1 サンプルあたり 10 分でした。プロテイン A 精製済み mAb に加えて、このメソッドは、タンパク質量が少ない他のサンプル分析にも適用できます。

アプリケーションのメリット

  • 30 µg の mAb からの CQA ペプチドの相対的定量では、低濃度でも一貫した結果を実現
  •  Andrew+ ロボットプラットホームと自己消化耐性の高い新製品トリプシン(RapiZyme™ トリプシン)を使用したトリプシン自動消化プロトコル
  • ESI-ToF BioAccord LC-MS を用いた CQA ペプチドのハイスループット(HT)LC-MS 分析および waters_connect™ Peptide MAM アプリケーションソフトウェアを用いた自動データ分析

はじめに

モノクローナル抗体(mAb)などの組換えタンパク質のバイオ医薬品は、長年にわたって患者に恩恵をもたらしてきました。組換えタンパク質の開発および製造にはコストがかかる場合が多く、高品質の生成物を製造するための効率的なプロセス開発における潜在的なボトルネックの 1 つは、宿主細胞株の選抜とバイオプロセスの最適化です。細胞株の選抜とプロセスの最適化のタイムラインを短縮するために、プロセス開発の初期にマイクロバイオリアクターが使用されています1。 バイオシミラーの製造に関する規制当局の要求もあり、ここ数年は細胞株の選抜基準に製品の品質が含まれるようになりました。マイクロバイオリアクターには、大規模バイオリアクターの製造条件に近づけることができるという利点がありますが、マイクロバイオリアクターから抽出されるサンプルの量により、分析が制限されることがあります。別の課題は、部位特異的修飾などのサンプルの CQA の分析には、通常 LC-UV または LC-MS によるペプチドマッピングが含まれるため、手間がかかり、スループットが低下する点が挙げられます。

このアプリケーションノートでは、Andrew+ ロボット(Andrew Alliance™)を使用した自動手順により、最小限の手動操作で CQA ペプチドマッピングメソッドを実施し、細胞株の選抜と細胞培養の最適化を支援できることを実証しています(図 1)。ここで紹介するのは、選択した CQA ペプチドとその修飾形態の存在量をモニターするための、焦点またはターゲットを絞ったペプチドマッピングメソッドです。デモ目的で、30 µg の 1 mg/mL mAb(インフリキシマブ)サンプルを還元して、トリプシン消化した後、MS 検出を用いた 10 分間の逆相分離を使用して CQA ペプチドをモニターしました。このメソッドは、サンプル前処理手順の事前濃縮ステップにより、濃度 1 mg/mL 未満の mAb およびその他のタンパク質サンプルにも適用できます。

図 1.  Andrew+ ピペッティングロボットおよび BioAccord LC-MS システムのイメージ

実験方法

サンプルの説明

100 mM のグリシン(pH 3)および 1 M のトリス(pH 7.5)を 5:1 v/v の比率で含む中和したプロテイン A 溶出バッファーで、インフリキシマブ(10 mg/mL)を希釈しました。インフリキシマブの最終濃度は 1.0 mg/mL でした。

苛酷処理サンプルの実験では、インフリキシマブ(10 mg/mL)を 0.005% H2O2 および 50 mM リン酸ナトリウム(pH 7.6)中で、37 ℃ で 2 週間培養し、酸化と脱アミド化を誘導しました。また、苛酷処理サンプルには、苛酷処理を加えていない元のサンプルも混合しました(容積比 1:1)。次に、上記で中和したプロテイン A 溶出バッファーで、すべてのサンプルを 1.0 mg/mL に希釈しました。

LC 条件

LC システム:

ACQUITY UPLC™ I-Class PLUS

検出:

ACQUITY BioAccord MS システム

プレート:

Acroprep™ Advance 350 µl Omega 10 k MWCO(製品番号:PALL-8034)

Eppendorf twin.tec® PCR プレート 96、スカート付き、150 µL(製品番号:951020443)

6 mm プレスリットシリコン/PTFE キャップマット(Analytical Sales and services、製品番号:96727)

カラム:

ACQUITY™ Premier Peptide CSH™ C18 カラム 1.7 μm、2.1 × 100 mm(製品番号:186009488)

カラム温度:

60 ˚C

サンプル温度:

10 ˚C

注入量:

5 µL、10 μL

流速:

0.2 mL/分、0.4 mL/分

移動相 A:

0.1% ギ酸水溶液

移動相 B:

0.1% ギ酸アセトニトリル溶液

グラジエントテーブル(グラジエント時間 50 分、分析時間 80 分)

グラジエントテーブル(グラジエント時間 6 分、分析時間 10 分)

ACQUITY RDa 検出器の設定

モード:

フラグメンテーションによるフルスキャン

質量範囲:

m/z 50 ~ 2000

極性:

ポジティブ

サンプリングレート:

5 Hz

コーン電圧:

30 V

フラグメンテーションコーン電圧:

60 V ~ 120 V

キャピラリー電圧:

1.20 kV

脱溶媒温度:

350 ℃

データ管理

LC-MS ソフトウェア:

waters_connect

結果および考察

一般的な手順

CQA ペプチドのモニタリングに LC-MS 分析を使用する自動ハイスループット(HT)ペプチドマッピングメソッドは、低容量および低濃度のマイクロバイオリアクター mAb サンプル用に開発されました。ペプチドマッピングは長年、製薬業界においてマルチ特性モニタリング(MAM)に使用されてきました2。 生成物の特性解析研究には大量の濃縮サンプルが使用できることが多いため、これらの消化手順では通常 100 µg 以上のタンパク質を使用します。ただし、現在のアプリケーションでは、マイクロバイオリアクターから得られるサンプルの濃度と容量は、通常は低くなっています。焦点を絞った効果的なペプチドマッピングのサンプル前処理を達成するために、グアニジン-HCl 濃度、タンパク質と酵素の割合、消化時間などのパラメーターの最適化を実施しました(データは示されていません)。ここで紹介しているメソッドは、mAb を包括的にマッピングすることを目的として開発されたものではない点に注意してください。そのため、これらの消化条件では著しい消化不良が観察されます。また、この手順では、サンプルはアルキル化されず、ジスルフィド結合還元のみが行われます。

図 2A には、焦点を絞った自動のペプチドマッピング手順の主なステップを示しています。30 µg のインフリキシマブを中和したプロテイン A 溶出バッファーで 1.0 mg/mL に希釈しました(詳細は、「実験方法」を参照)。mAb はプロテイン A アフィニティークロマトグラフィー樹脂でアフィニティー精製されていると想定されます。 

図 2.  A. Andrew+ 自動化機能を使用した一般的な消化手順
B. バッファー交換の詳細手順

このメソッドの最初のステップは、図 2B に示すように、サンプルを変性/還元バッファー(DRB、6 M グアニジン HCl、1 mM メチオニン、3 mM DTT、0.1 M トリス pH 7.5)にバッファー交換することです。これは、Andrew+ 自動化システム上の Extraction+ ドミノを使用して、サンプル保持用の 10 K MWCO フィルタープレートを使用して行われます。サンプルをロードする前に、フィルタープレートのウェルに 50 µL の水を添加し、650 mbar で 10 分間真空引きして、フィルターから水を排出します。このコンディショニングステップにより、次のステップのバッファーの廃液を促進できることが発見されています3。 次に、20 µL の 6 M グアニジン HCl、2.5 mM のメチオニン、0.1 M のトリス pH 7.5 溶液および 30 µL(1.0 mg/mL)の mAb を添加し、650 mbar で 12 分間真空引きして、mAb を保持しながらバッファーを排出します。次に DRB(30 µL)をウェルに添加します。サンプルをフィルタープレートから Eppendorf 96 ウェル PCR プレートに移すためは、PCR コレクションプレートの上でフィルタープレートを反転させ、500 RPM で 2 分間遠心分離します。この反転と遠心分離にはユーザーの操作が必要であり、サンプルのウェル位置が鏡像的に変化することに注意してください。

25 ℃ で 30 分間変性および還元した後、mAb を消化する間、1.0 mM のメチオニンおよび 0.1 M のトリス( pH 7.5)中に 0.15 mg/mL の修飾トリプシンである RapiZyme トリプシンを 100 µL 添加して、グアニジン HCl の濃度を低下させます。反応混合液を 37 ℃ で 2 時間培養し、その後、10 µL の 2% 酢酸を添加して消化を停止します。最後に、0.10% ギ酸(移動相 A)を添加して、消化タンパク質の最終濃度が約 0.20 mg/mL になるように反応混合液を希釈します。

この手順では、以下の点に注意が必要になります。第 1 の点として、サンプル濃度が低い場合、バッファー交換ステップでサンプルが事前に濃縮される可能性があります。この実験では、デモ目的で 30 µL のサンプルをロードし、30 µL を回収しました。ただし、サンプル濃度が低い場合は、より多くの容量がロードされる可能性があり、より少ない容量を用いて回収を行って、サンプルを濃縮できます。第 2 の点として、アルキル化がある場合とない場合で、同等の結果が得られました。そのため、アルキル化ステップはこの手順に含まれていません。第 3 の点として、この手順で使用するトリプシンは自己消化が最小限であるという利点があるため、高濃度で使用して消化速度を加速できます。図 3A および 3B は、ACQUITY Premier CSH C18、2.1 × 100 mm カラムで 50 分間のグラジエントを使用した場合のブランク消化物とインフリキシマブ消化物をそれぞれ示しています。注:本試験で選択した ACQUITY Premier Peptide CSH C18 カラムに充塡される合成 CSH C18 粒子の各バッチは、トリプシン消化タンパク質で QC テストされ、性能仕様を満たさないバッチは破棄されるため、カラム間の性能の一貫性を確保することができます。RapiZyme トリプシンの量が多く、タンパク質:酵素の比率が 2:1 であったにも関わらず、ブランク消化では、多くの干渉トリプシンピークが示されていません。

図 3.  RapiZyme トリプシンによるインフリキシマブ CQA ペプチドマッピングの LC-MS クロマトグラム
A. ブランク消化物
B. インフリキシマブ消化物
C. インフリキシマブ消化物
A および B のグラジエントは 50 分間で 1 ~ 35% B、0.2 mL/分です。C のグラジエントは 6 分間で 1 ~ 30% B、0.4 mL/分です。

ハイスループット分析用に、6 分間の溶出グラジエントで消化物を分析しました。予測されたように、6 分間のグラジエント(図 3C)では、50 分間のグラジエント(図 3B)よりクロマトグラフィー分離能が低下していました。このメソッドの目的は、タンパク質の完全な特性解析を行うのではなく、実測されたチャージ状態からの組み合わせイオンカウントを使用して計算された CQA ペプチドの相対定量を実現することであるため、6 分間のグラジエントが適切であることが判明しました。

図 4 は、この実験での Andrew+ のレイアウトを示しています。Andrew+ 自動化機能を使用した場合、48 サンプルの消化にかかる時間は 3.5 時間未満であり、7 つの手動ピペッティングステップが不要になります。

図 4.  Andrew+ レイアウト、ドミノ、および 48 サンプルの消化にかかる実験時間

再現性

自動サンプル前処理および LC-MS 分析により、幅広い CQA ペプチドにおいて許容範囲内の再現性が示されました。この試験では、インフリキシマブサンプル(1.0 mg/mL を 30 µL)を、48 サンプルプロトコルを使用して消化しました。これらのうち、プレート上の異なる位置に対応する 10 のサンプルを LC-MS 分析用に選択しました(図 5)。自動データ分析は、waters_connect インフォマティクスプラットホームと Peptide MAM アプリケーションソフトウェアを使用して実行しました。表 1 および図 6 は、評価された CQA ペプチドの相対存在量と、これらの測定値の相対標準偏差を示しています。注入量が 10 µL(2 µg mAb)の場合に、5 µL(1 µg)の注入よりも一貫した結果が得られることが判明しました。この例では、2 µg 以上を注入しても、再現性の結果はこれ以上改善されませんでした。20 個の CQA ペプチドすべてで、修飾割合の %RSD は 20% 未満であり(n = 10)、%RSD が 10% ~ 20% の 8 個の CQA ペプチドのうち 7 個のレベルが 1.66% 以下でした。酸化ペプチドの RSD% がわずかに高い原因については、調査中です。全体として、これらのデータからは、この HT LC-MS メソッドでは少量(30 µg)のサンプルでタンパク質の部位特異的修飾の相対存在量についての一貫した結果を提供できることが実証されています。

図 5.  再現性試験のための 10 の代表的なウェル位置。ウェル位置がバッファー交換前後で鏡像化されていることに注意してください。
表 1.  インフリキシマブ CQA ペプチドの相対存在量の平均、標準偏差、%RSD(n = 10)
図 6.  インフリキシマブ CQA ペプチドの相対存在量の平均および標準偏差(n = 10)ペプチド #9、#11、#19 では、シグナルの 10 分の 1 がプロットされています。

苛酷処理サンプル分析

細胞株の選択およびプロセスの最適化では、メソッドで CQA ペプチドの修飾(%)の変化を検出できることが重要になります。目的に合ったデモを行うため、サンプルの酸化と脱アミド化を促進するために苛酷処理を加えました(詳細については、「実験方法」を参照してください)。苛酷処理サンプルには、苛酷処理を加えていないサンプルも混合しました(容積比 1:1)。図 7A は、一部のインフリキシマブ CQA ペプチドの修飾 % を示します。評価した 4 つの酸化 CQA ペプチドと 3 つの脱アミド化 CQA ペプチドの LC-MS データは、中間レベルの分解ペプチドが含まれている 1:1 共混合サンプルの LC-MS データと一致しました。CQA の変更を検出するための分析感度は、脱アミド化 HC:T37 ペプチド NQVSLTCLVK で観察された結果(図 7A の f)で最もよく実証されており、存在量が 0.1% から 0.6% に増加しています。このペプチドの未修飾(上)および脱アミド化(下)フォームのマススペクトルを図 7B に示します。保持時間に基づいて、この脱アミド化されたフォームは、アスパラギンから変換されたアスパラギン酸である可能性があります。図 7C は、N 糖鎖修飾ペプチドおよび C 末端重鎖(HC)ペプチドの結果を示しています。HC の C 末端ペプチドは、C 末端にリシン残基を伴った形、あるいは伴わない形で存在します。予測されたように、これらの安定ペプチド修飾では一貫した修飾割合が得られました。全体として、結果からは、この自動 HT CQA ペプチドマッピングメソッドで、異なるバイオプロセスサンプル間の部位特異的な変化が検出できることが示されています。

図 7.  インフリキシマブ CQA ペプチドの修飾割合(%)。#1 と #2 は苛酷処理なしのサンプル、#5 と #6 は苛酷処理済みサンプル、#3 と #4 は 1:1 混合サンプルです。
A. 酸化修飾または脱アミド化修飾がある CQA ペプチドの場合、苛酷処理なしのサンプルと苛酷処理済みサンプルの 1:1 の容積混合の修飾割合は、苛酷処理なしのサンプルと苛酷処理済みサンプルの修飾割合のほぼ中間になります。a. HC:T2(LEES…GSMK)酸化 M、b. LC:T6(YASE…IPSR)酸化 M、c. HC:T22(DTLMISR)酸化 M、d. HC:T42(WQQG…TYQK)酸化 M、e. HC:T7(SINS…ESVK)脱アミド化 N、f. HC:T37(NQVS…CLVK)脱アミド化 N、g. HC:T38(GFYP…NNYK)脱アミド化 N。
B. HC:T37 ペプチド NQVSLTCLVK のマススペクトル(図 7A の f)。上:未修飾フォーム(m/z:552.81、2 価)。下:脱アミド化されたフォーム(m/z:553.30、2 価)。
C. 酸化修飾または脱アミド化修飾がない CQA ペプチドの場合、修飾割合は苛酷処理の状態に関係なく一貫しています。h: HC:T26 (EEQYNSTYR) G0F N、i: HC:T26 (EEQYNSTYR) G0F-GlcNAc N、j: HC:T26 (EEQYNSTYR) G1F N、k: HC:T26 (EEQYNSTYR) Man5 N、l: HC:T26 (EEQYNSTYR) G2F N、m. HC:T43 (SLSLSPG) + リシン C-末端。

結論

30 µg の mAb サンプルを使用して、CQA ペプチドの相対的定量について一貫した結果が得られました。これには、Andrew+ ロボットプラットホームのトリプシン自動消化プロトコルシーケンスと、自己消化耐性が高く、他のシーケンスグレードのトリプシン製品と比較して活性が高い、新しいトリプシン(RapiZyme トリプシン)を使用しました4,5。 この自動化されたトリプシン消化メソッドでは、4 時間以内に 48 サンプルを生成できます。さらに、ESI-ToF BioAccord LC-MS メソッドの合計分析時間は 10 分間で、waters_connect に搭載された Peptide MAM アプリケーションソフトウェアにより自動 LC-MS データ解析が実現します。

このアプリケーションノートで概説した一般的な手順では、使用するロボットプラットホームと LC-MS の機能を実証しています。また、他のタンパク質サンプルの特定の分析要件を満たすように簡単に最適化することができます。 

参考文献

  1.  Lange I., Chhatre S., and Zoro B. Reducing Timelines in Early Process Development – Using a Multiparametric Clone-Selection and Feed-Optimization Strategy.Bioprocess International, November 2014.
  2. Ren D., Pipes G.D., Liu D., Shih L-Y, Nichols A.C., Treuheit M.J., Brems D.N., Bondarenko P.V. An improved trypsin digestion method minimizes digestion-inducedmodifications on proteins. Analytical Biochemistry 392 (2009) 12–21.
  3. Hanna C. M., Koza S. M., Yu Y. Q. Automated High-Throughput N-glycan Labelling and LC-MS Analysis for Protein A Purified Monoclonal Antibodies.Waters Application note.720007854, February 2023.
  4. Ippoliti S., Zampa N., Yu Y. Q., Lauber M. A. Versatile and Rapid Digestion Protocols for Biopharmaceutical Characterization Using RapiZyme™ Trypsin.Waters Application note.720007840, January 2023.
  5. Finny A. S., Zampa N., Addepalli B., Lauber M. A. Fast and Robust LC-UV-MS Based Peptide Mapping Using RapiZyme™ Trypsin and IonHance™ DFA.Waters Application note.720007864, February 2023.

720007885JA、2023 年 4 月

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